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マイナスイオンの家 「庚午北K邸」

投稿日:2008年11月21日, 更新日:2008年12月3日, 閲覧回数:953 回

1.建築概要

  • 用途・延べ床:2世帯住宅・306㎡(92.4坪)
  • 構造・規模:RC&システム木造の混構造・3階建て
  • 企画・監修:日建プロジェクト
  • 建築方法:CM方式(施主の直接発注方式)

 

仕 様

  • 外壁:漆喰塗り
  • 屋根:ガルバリウム鋼板瓦棒
  • 床:松無垢フローリング(30mm厚)
  • 壁,天井:ウッドチップクロス貼り(独製)
  • 断熱材:セルロースファイバー(木質繊維)
  • 塗装:自然塗料(独&米製),酸化チタン塗料他

2.建築するまでの過程:「貴重なドラマは何時もある」

元は、立派な洋館が建っていた。昭和初期の建築であり、築70年の経過を物語る重厚な建物であった。その立派な建物に魅せられた私(野間)は、建替えよりは、「むしろ、改修工事をしての保存」をお勧めした。

しかし、家主にしてみれば、老朽化した建物維持の為に、多大な神経と経費を費やして来られ、私の『文化財的な保存をする』提案は実現しなかった。

いざ建替え、となると、元の立派な建物と対比してしまう。設計をする立場としては、かなりのプレッシャーが有った。最終的な決定をされるまでに、20数プランが検討された。1階に住まわれる、お母さんとは、度々打合せが出来たので、内容を煮詰める事も容易に出来た。

しかし、2階に住まわれる、御長男世帯は、大変だった。小さな御子さんが3人も居られ、奥さんは『子育て真っ最中!』御主人は、休みもロクに取れない程の、有能な中間管理職。要するに、御夫婦とも、超多忙中だった。

『計画延期か・・・』

御長男世帯との打合せが、殆ど出来ない状態だった為、『計画を延期しましょうか?・・・』との申し出をする事もあった。「来春に小学校に上がる子もいるから、それに合わせて入居したい」と言われ、半ば手探りで計画を、進めるシーンもあった。 語り尽くせないが、色々なお客様と接し、毎回思うことがある。

“人生というドラマ”の、ほんの片鱗ではあるにせよ、己の“建築という技”を持って、その御方と関われる事。その、ひとときを、共に歩ませて頂けるのは『とても、幸せなお仕事だ!』と毎回、感謝・感激。

3.建築手法のこだわり:『お客様にとって、良い事は!』

本来は設計計画をする“建築工房ノーマン”に持ち込まれた建替え計画の相談だった。

それはタイミング良く?“日建プロジェクト”の発足に会わせて下さったか?のような時期だった。

“日建プロジェクト”の発起人であり、主宰者でもあった私は、計画の初期段階で『CM方式での建築』を提案した。

「卸価格で、建築が出来ます!」

「透明性が有って、手抜きをし難い手法です!」

「今の日本で馴染みが無くても、お客様にとって、絶対に、お得です!」と、力説した。

“CM方式”という建築手法そのものより、永年お付合いさせて頂いていることも有り、個人的な信用性からか、割合、スンナリと承諾頂いた。

4.建築方法のこだわり:『人の健康を邪魔しない事』

私は「健康住宅なんて、あり得ない!」と思っている建築家。現代の建築に於いて、多少の差は有れど“毒性のある建材”を、使わない訳には行かない。膨大な資金を注ぎ込んだとしても、毒性を完全排除するのは不可能に近い。“自然素材”の全ても「毒性ゼロ」という訳には行かない。それらの毒性は、処を変えると、『クスリ』に成ったりもし、古代では、上手に共生していたと思われる。「これが健康住宅!」的な表現は、誇大広告に近いと思う。“建築”を通じて「人の健康に積極的に、貢献するのは無理」。

我々専門家に出来ること、努力できることは・・・せめて『人の健康を害する家づくり』をしてはならない!。近年、多くの建物が、“人の健康”の足を引っ張っている。その状況を見る度、専門家として、心が痛む。消費者の方々も、もっと賢く、用心深く成って頂きたい。

コストとの責めぎ合いも有ったが極力自然素材を採用した。床材、造作材は、基本的に無垢材。それらを色着けるのは、ドイツ、アメリカの自然塗料。残念なのは、日本製は殆ど見当たらないので、外国製品に頼らざるを得ないのが現状。

ビニールクロスは健康先進国の欧米では、もはや、マイナーな存在でもあるし、採用しなかった。石油を原料とする製品の採用は、極力避けた。省エネの為、高断熱仕様。外部との気密性も考慮した。冬は、小屋裏の暖気を床下に送りこむ。夏は、床下の冷気を室内に取り込む。しかも、シンプルで安価に出来た。

室内の『空気が澱むのを防ぐ』方法は、国の提唱する“機械換気”に頼らず、WC・キッチンを除き“自然の力”で空気が動く方法に徹した。

今回採用した内で“建材”とは言えないモノが有る。“炭”を使った。それも、「建物に使うべく」計画的に、生産されたモノ。炭は、どうやら悪性物質を吸着分解してくれるらしい。プラスイオンを吸着するので、マイナスイオンの残留を助けてくれるらしい。コンクリートの毒性も緩和してくれるらしい。炭の種類の選択と、使い方さえ心得ていれば結果は良好。

5.建築中の苦労:『知恵を多大に入れ込み過ぎた?』

今回は(も?)、ありとあらゆる知恵を、思いっきり注ぎ込んだ。

それは『お客様に、自分の持てる知恵を全て提供したい』との意気込みと、自分自信を啓蒙する意図も有った。お蔭で、工事に参加された業者の皆さんには、多大な苦労をお掛けしてしまったかもしれない。

「何で、こんな事するの?」との質問に、計画した本人が「えッ何の為だったっけ?」と、戸惑うシーンもあった。それだけ盛沢山の知恵を、この建物の中に盛り込んでいた。

もう一つ有った。当プロジェクトは“CM方式”を中心に活動している。施主が各業者さんに直接発注するシステム。これを始めた動機は、「安いから!」ではない。・・けれど、結果的に『卸値で建築ができる』のも事実。

施主は勿論、業者の皆さんでさえ、殆どの方が初体験。

『全員が“元請”ですよ!』との掛け声は勇ましいが、日頃は、何処かの下請・孫請けで生計を成している。

仕事にありつくのは嬉しいが「急にそんな事を言われても・・」感覚的に何処か、ピンと来ないままで、工事が終了した??。ある意味で私共の勝手な意気込みに、付き合って下さった関係業者の皆様、大変ご苦労様でした!。

6.完成後の感想:『でも、苦労してよかった・・・』

それなりに、規模の大きな建物だったので、苦労も、比例して色々と、あるには有った。

一番、嬉しかった事は、施主より「良い建物をつくって下さって有難うごさいました」との、お言葉を頂いた事。月並みでは有るが、この一言で、今までの苦労・心労が一気に吹き飛んでしまう。

次に嬉しかった事は、全室・全箇所から“マイナスイオン”が検出された事。イオンの測定は、当初の予定には無かった。炭メーカーさんの好意で測定して下さった。『結果オーライ』なのだが、自分の極めた方向は、少なくとも『悪いところではなかった』と胸を撫で下ろした。

専門家の一人として、自然素材を駆使して建てたとしても、現代日本の建築では、『全箇所からマイナスイオンが検出されるのは、不可能だ』とさえ思っていたから、余計に嬉しい。

※最近、『毒性が少なくなる』事と、機械的に作られたのではない『マイナスイオンの増加』は、どうやら連動しているらしい、事が分ってきた。


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掲載日2008年11月21日
更新日2008年12月3日
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