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コンクリート打ち放しと漆喰塗りの家(庚午北K邸)
コンクリート造 打ち放し 注文住宅 漆喰

投稿日:2012年7月16日, 更新日:2018年2月2日, 閲覧回数:6,719 回, このエントリーをはてなブックマークに追加

アルファロメオとBOSEに出会った家

1.建築概要

  • 用途・延べ床: 2世帯住宅・306㎡(92.4坪)
  • 構造・規模 : RC& システム木造の混構造・3階建て
    (在来工法、耐力合板張り通気工法)
  • 企画・監修 : NPJ DESIGN(日建プロジェクト)
  • 設計・監理 : 建築工房ノーマン(一級建築士事務所)
  • 建築手法  : CM方式(施主による直接発注方式)

仕様

  • 基 礎 :ベタ基礎(ガラス発泡 外断熱)
  • 外 壁 :漆喰塗り(通気工法)、一部コンクリート打ち放し
  • 屋 根 :ガルバリウム鋼板瓦棒(縦ハゼ葺き)
  • 床   :パイン無垢フローリング(厚30mm)
  • 壁,天井:ウッドチップクロス貼り(独製)
  • 断熱材 :セルロースファイバー(厚100mm)
  • 塗 装 :自然塗料(独&米製),酸化チタン塗料他

2.建築するまでの過程:『重厚な西洋建築だった』

元は、立派な洋館が建っていた。
昭和初期の建築であり、築70年の経過を物語る重厚な建物であった。
一時期は県知事官舎としても使われていたこともあるらしい。

最終的な決定をされるまでに、20数プランを検討し合った。

3.建築上のこだわり:

『デザイン性と人の健康』

当初、2階の息子世帯より「コンクリート打ち放しの建物で」との要望もあった。 しかし、これには私が反対した。理由は、「コンクリートに住まう人の寿命は短い」との情報を入手していたから。

折中案として、前面のガレージ部分のみをコンクリート打ち放しとした。

【 豆知識 】コンクリート住宅の健康被害と対策:

幾つかの大学より検証結果が出されており、寿命が短くなるのは「9年」「4年」と誤差はある。ハッキリとした原因は究明できていない。
私は、最近NHKでも取り上げられた『蓄熱熱射』現象が主と思っている。
夏、昼間の熱が、躯体であるコンクリートに蓄熱され、深夜になっても放熱し続ける。 冬は冬で逆に、とことん冷え込む「底冷え現象」となり、高齢者・幼児には、とても耐え難い厳しい環境となる。

対策として『外断熱工法』があるが、コスト高になるため、日本では北海道を除き、殆ど採用されていない。

他にマンションなど共同住宅では、周囲との関わりに気を使い「ストレス」を蓄積してしまうことが、健康被害に至るとも考えられる。

小さなお子さん、高齢者と住まわれる場合は特に、建物が人にあたえる、健康面にも充分配慮いただきたい。

門の松と門柱の一本は、ご先祖への敬愛の念として元のまま残した。

2階のキッチンは既製品ではなく、オーダーキッチンとした。

照明器具・建具は一部を在来邸宅品を使用。他は全てアメリカより輸入した。

内外にガラスブロック(イタリア製)をはめ込み。

タイルは一部を除き、全て輸入品とした。等々。

『快適性と耐久性』:

ガレージ部分を除き、外壁は『シックイ塗り+通気工法』。
サイディングパネルや、塗装壁とは異なり、恒久的に塗替えの必要はない
※別記事(中黒瀬M邸)の【 豆知識 】外壁素材を参照ください。
ヒサシの幅は約90cmとした。近年の住宅としてはやや長め。
雨風から建物を守るのに、このくらいは必用と思っています。

断熱材は土壁以上に吸放湿能力のある“セルロースファイバー”を採用した。 断熱能力・防音能力ともグラスウールの比ではない。

内部の壁、天井は和室も含め、ウッドチップ入り紙クロス(独製)を貼った。
ビニールクロスと同価格ながら、吸放湿できるのがスグレモノ。

【 豆知識 】住まいの断熱材

  •  グラスウール:世界中で一番使われている。安価。吸放湿能力は殆ど無い。
  • ロックウール:やや高めだが防火性能、断熱能力はまずまず。吸放湿も少しはある。
  • 発泡系:石油由来。断熱能力は高い。吸放湿能力はない。
  •  ウール系:自然動物系。吸放湿もできる。
  •  セルロースファイバー:自然植物系、新聞古紙を再生。断熱能力、吸放湿能力ともに高い。
  •  その他:コルク、発泡ガラス、フェノール、発泡炭化カルシウム 等々。

【 豆知識 】室内素材(壁・天井)

  •  ビニールクロス:石油由来。日本では最も使われている。汚れ難い。吸放湿は不可。
  • 樹脂系:石油由来。色彩豊富。 吸放湿は不可。
  •  土系:自然系が多い。珪藻土、漆喰、ジュラクなど。吸放湿できるものが多い。
  •  木材系:自然系なるも表面の塗装は自然系、石油系とある。吸放湿能力あり。
  •  紙クロス:自然系。西欧のクロスは殆ど紙。他に和紙、レーヨンなど。吸放湿能力あり。
  •  その他:タイル、塗装、金属、石膏ボード、ガラス系 等々。

※アトピーなど、アレルギー性疾患の可能性のある方は、出来るだけ「自然系」を。

『快適性と技術』究極の冷暖房?:

この家にはソーラーパネルなどは設置されていない。
その代わり、自然空気を利用した空調補助機能を持たせてある。

目標は、他の家よりも「空調機を使わなくて済む」期間が夏冬の初期と後期の各2週間程度。 合計、年間2ヶ月を目安としている。

この種のパッシブ技術を昔から模索してきた。
近年、OMソーラーさんが集熱板を採用するなどして、より効率を高くされ、暖房能力を上げておられる。

OMさんに比べれば、集熱板も無く、暖房能力は微力だ。
が、「夏季も活躍する」面では良いかもしれない。

※季節ごとのスイッチは、手動にした。技術的にフルオートタイマーに出来なくもないが、「五感が退化してしまう」ことを懸念し、手動とさせていただいた。 自然を感知し、自らが動くことで、より健康的な生活をしていただきたいとの配慮です。

4.建築手法のこだわり:お得な『特別レシピ』

一般的な「設計・監理⇒入札または特命工事」は行なっている。
近年、特別レシピも用意している。 それはCM方式。

この方式は、元々「安くする」目的ではなく、『キッチリと確実に』を
テーマとして追求した結果、この方式(施主による直接発注)にたどり着いた。
中間マージンが無くなり、結果として「コスト面・信頼性」」とも
建て主にとっては、特別有益な面が増えた!。と確信している。

書類上は、建て主が各専門業者に直接発注する。
支払行為以外の実作業は全て私どもがサポートしている。

ここでも初期段階に『CM方式での建築』を提案し、採用された。

5.よもやま話

『アルファロメオとBOSEに出会った!』

建築が始まって暫くしてのこと。息子世帯の施主が事務所に立ち寄られた。
「家のデザインに合わせてクルマを買い換えました」・・・
「どんなクルマですか?」 「アルファロメオです」・・・

なんと、感性を共有して下さっている!! と感激した。
※私も昔乗っていた。そして何時か再た乗りたいと思っていた感性のクルマです。
これがきっかけで後日、私も同車を入手することになった。

引渡しも近づいた頃、リビングにスピーカーを設置したいと言われた。
「何かお決めですか?」「BOSEにしたい」とのこと。
広島にBOSEの出先があったので機種選定の相談をすることが出来た。
※個人の買い物なので、私どもの出る膜ではないのだが、価格も卸価格で
入手でき、CM方式のオマケ的手配ができて良かった。

この若い施主は、ロックバンドもされているようです♪。

『ここは家の中じゃないのよ~』

子供さんたちが、登園するようになり、お友達が来られるようにもなった。
ある日、若奥様が下へ迎えに出ると、・・・なんと、お友達の子が
外部通路の上で靴を手に持って歩いて来た。。。
きっと、通路のテラコッタタイルが綺麗に見えたのでしょう♪。

『この価格でここまでできる?!』

完成見学会をさせていただいた。但し、前代から生活されていることもあり、一般の方はお断りし、建築の専門家が学ぶための見学会となった。
・・・広島の専門家が、約20組来場された。当然、見る目はそれ相応のプロの目。
気になる話題「コストは?」「坪単価〇〇程度」 「えっ、、本当に?!」
このグレードからして、皆さん信じがたく、目が点になられたのが印象的でした。
「私たちが行なう、CM方式だから可能だった」と説明した。
※近年、実力に乏しい名前だけ?のCM方式も出回っているようです。要注意。

『TV取材』:2回

一度目は「CM方式で建てられた家」として紹介された。
二度目は、各所に炭を使っていたので「炭の効能を活かした家」として紹介された。
※ちなみに測定結果、屋根裏も含め家中全箇所にて“マイナスイオン”が検出された。

6.建て主の感想:『タレントさんのお家みたい?』

  • 友人が来て「タレントさんのお家みたい」と褒めてくれます。
  • 他の家と違い、この家は結露がないのが不思議です。
  • 何時までも漆喰の壁が白いままなのも不思議です。
  • 同じ西区の古田台を見て廻った。金を掛けているらしき家はあったが、我が家よりデザイン性に優れた家は見当たらなかった。(施主様の社交辞令かも?)
  • 自然に包まれた感触が心地よいです。
  • 以前の家で気になっていた電車の音が殆ど聞こえなくなりました。

◆関連記事◆

文責:建築工房ノーマン 代表 野間 泰治(一級建築士)

 


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掲載日2012年7月16日
更新日2018年2月2日
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