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“お好み矢 毛利”
リフォーム 改装

投稿日:2008年11月22日, 更新日:2018年2月2日, 閲覧回数:9,713 回, このエントリーをはてなブックマークに追加

1.建築概要

  • 用途・延べ床:店舗・施工面積約46㎡(14坪)
  • 構造・規模:RC複合ビル 1階テナント
  • 設計・監理:建築工房ノーマン(一級建築士事務所)

 

仕 様

  • 床:砕石敷き、フロアーパネル等
  • 壁:網代クロス
  • 壁:シックイ風塗装
  • 天井:同 上
  • その他:焼台、フード、テーブル

2.建築するまでの過程:『広島だから毛利!』

永年、この業に身を置いているが、ここまで想い込みのはっきりしている方は、初めてだった。店主は、新聞社に勤めていた脱サラさん。子供の頃、母親がお好み屋をしていたとの事。

広島の老舗のソース屋さんの紹介で、お会いした。店主のコンセプトは実にはっきりしていた。

広島で店を出すのだから、“安芸の国”にちなんだ店名でなければならない!と。

『お好み矢 毛利』の店名は、毛利元就の物語に出てくる、『三本の矢』をもじって、命名されている。

お店の雰囲気も、「お城のように!」とはっきりしていた。「和の建築は高くつく!」のが常識なのだが、そこは、限られた予算の中で腕の見せ所と、計画・設計に着手した。

3.デザイン計画のこだわり:『ひたすら、お城を目指す』

目標がはっきりしているから、導入も、デザイン計画もスムーズに進行した。 むしろ、店主の『想い』を、形にしただけかもしれない。ひたすら、お城づくりを目指した。

私としては、如何に『夢』と『想い』を的確に汲み取るか、只それだけに集中すれば、それで良かった。

店内の壁に大きく書かれた“一日一力一心”の文字も、大き過ぎて、お客さんが見辛いと指摘するが、「いやいや、私が、厨房から何時も眺めていたいのです!」との答え。

入口で履物を脱いで、店内の座敷に入る。 客の回転効率からすると、良くないと指摘したが、これも「これが日本の本来の食べ方!」と一掃された。

厨房の戸棚や、壁面に描かれた『戦国絵巻き』は店主の夜なべ?の力作。

4.建築中の苦労:『何もかもスムーズ』

郊外のテナントビル。大家さんは、とても親切。ビルの建築をしたのは、スーパーゼネコンの鹿島さんだから紳士的だし、技術打合せも確実でスムーズに進行した。

建築的には、特段の苦労もないまま進行し、あとは「自分で店を経営するのは初めて」の店主が上手くお好みを焼けるか?、お客様へのサービスは上手くできるか?を見届ける事になった。

5.完成後の感想:『広島で一番おいしい お好み焼き!』

オープン寸前に試作された“お好み焼き”を食べてビックリ!。『これは、素人の技ではない!』と思った。

試食したソース屋さんも「一発でここまで焼ける人は殆ど居ない」と絶賛し、今では『広島で一番おいしい』と評価。

広島の有名店に数軒、連れて行っても「大したことない!」と満足の行かぬ、自称“超 お好み焼き通”の御方と同行した。

自分でも数枚の鉄板を持っているその御方、『これなら大人の味。OK!』と合格点。

お好み焼きでは聞いた事がない『おかわり』の追加注文をする人も居るくらいだから、大したもんです。

知る人ぞ知る、隠れた有名店と位置付けられている。

“お店づくり”の場合、私共は『ステージを作る係』と割り切っている。繁盛するかしないかは、ひたすら店主、オーナーの手腕と人間性にかかっているからである。

とは言え、やはり『愛される店・繁盛店』に成長されると私共も、この上ない喜びである。

文責:野間 泰治(一級建築士)


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区分施工例 > 店舗
掲載日2008年11月22日
更新日2018年2月2日
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